日本博物館協会賞

小樽市総合博物館が第5回日本博物館賞を受賞されたとのこと。まだ訪れたことがありませんが、ホームページを拝見するととても美しい素敵な施設であることがわかります。第3回受賞の大原美術館の雰囲気にも少し似ていますね。ぜひ機会を見つけて訪問したいと考えています。おめでとうございます!!!

本ブログでいつか紹介したいと思っていましたので、便乗して日本博物館協会賞について書いてみます。
第4回は昨年、当館が受賞しました。全国の多くの素晴らしい博物館があるなかで当館を選んでいたと聞き、最初とても驚きました。あらためて考えると、プラネタリウムや公開天文台を有した天文系の博物館は全体としては少数派ですが、その活動はとてもユニークで活発だと思います。天文施設の全国的な熱心な取り組みに加え、プラネタリウム100周年というタイミングがうまくマッチしたのでしょう。当館は、日本の博物館の多様性の一例になったのだと思います。

受賞を受けて国際会議The Best In Heritage(至高の継承会議)で日本代表として当館をご紹介させていただけることになりました。先日、英語インタビューを受けたところです。当館プラネタリウムやシゴセンジャーを世界に紹介することもでき、とても光栄なことでした。不慣れなこともあり、いろいろ汗をかきましたが、良い経験になりました。会議は9月にオンラインで開催されます。

日本博物館賞受賞には、特別な喜びがあります。当館の開館記念日は6月10日時の記念日。この日の制定には、日本博物館協会の創始者棚橋源太郎先生が
深くかかわっているのです。
棚橋先生は学芸員の過程で必ず学ぶ博物館黎明期の大巨人です。大正から戦後にかけて、関東大震災や戦災など混迷の時代に、博物館の発展に尽力されました。人々に興味をひかせながら本質に迫る通俗展覧会(特別展)を日本で初めて開催したのも棚橋先生のアイディアです。棚橋先生が館長を務められた東京教育博物館(現国立科学博物館)で1920年に開催された「時」展覧会が
大盛況となったことで誕生したのが「時の記念日(6月10日)」なのです。
棚橋先生の想いを引き継げるよう今後も微力ながら博物館の発展に貢献できるよう尽力したいと考えています。

2024年6月10日で開館64年となる時の記念日がやってきます。今年は、「辰鼓楼の謎」という新しいテーマにチャレンジします。どうぞお楽しみに!


賞状です。玄関に展示しています。


記念クリスタル盾。盾が「たって」るのですが、写真だとわかりにくい?でしょうか。実物はとてもきれいです!

これまでの受賞者

第五回日本博物館協会賞
・小樽市総合博物館

第四回日本博物館協会賞
・明石市立天文科学館

第三回日本博物館協会賞
・大原美術館

第二回日本博物館協会賞
・福井県年縞博物館

第一回日本博物館協会賞
・北名古屋市歴史民俗資料館(昭和日常博物館)
・ちひろ美術館(東京・安曇野)

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