彗星きたる

ちょっとタイミングが過ぎてしまったのですが、この春、ポン-ブルックス彗星 12P/Pons-Brooks (2024)が見ごろでした。ポン・ブルックス彗星は、1812年フランスの天文学者ジャン=ルイ・ポンが発見、1883年、米国で活躍した天文家ウィリアム・ロバート・ブルックスによって再発見されました。ポン先生もブルックス先生も多くの彗星を発見している歴史に残る天体観測者です。この彗星は、1954年にも太陽に接近。それから70年後となる2024年、70年ぶりに帰ってきたというわけです。この彗星は、ある日「ポン!」と突然明るくなるという現象を一度ならず何度も引き起こし、彗星観測者たちを驚かせたり喜ばせたりしていました。3月になり4等級になり、双眼鏡でも尾(テイル)が伸び「ている」ようすを確認できました。こちらに掲載した写真は、私が記念に撮影したポンーブルックス彗星です。2024年3月10日19時40分(5分露出)seestarS50(電子望遠鏡)にて撮影。70mm18倍の双眼鏡で確認できました。等級は4等くらい。
4月中旬になると徐々に太陽に近く観測が難しくなりました。そろそろ見納めでしょう。さようなら、70年後までお元気で(?)

さて、彗星といえば、2024年10月にはツチンシャン・アトラス(紫金山・ATLAS)彗星C/2023A3が1等級の明るさになるとこと。夕暮れの見やすい時間に観測できそうです(図参照、早水勉さん提供)この彗星の接近もあるので、10月のプラネタリウムの話題は彗星をテーマにしています。ところで彗星の明るさ予測は難しく、期待を外すこともしばしば。「予想はよそう」、と言いたくなるときあるのですが、各天文台や観測者からの報告を聞くと順調に明るくなっているとこと。やはり期待してしまいます。特別観望会やライブ中継などができるほどの明るさになってくれるといいですね。

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