今年最後の勤務日です。今年は工事のために静かな年末年始になっています。職員から「館長ブログ止まっていますね。ネタとして今年の漢字を書いてみては」という提案がありました。面白いので企画に乗ることにしました。
さて、どんな漢字にしましょう。今年も本当にいろいろありました。プラネタリウム100周年のフィナーレイベントが行われ、さらに10月の24時間世界を結んだプラネタリウムイベントも行われました。
8月、9月には、多くの方々が長期休館前のイベントにご参加いただきました。天文現象もいろいろありました。9月8日未明の月食のライブ中継では、多くの方に月が欠けるようすの中継におツキ合いいただきました。他にもレモン彗星が見えるなど、いろいろありました。そして2025年は、土星の環を真横から見える年でもありました。この現象は、およそ15年ごとに起こる現象です。土星の環は、直径地球の20倍あるのですが、厚さは100メートルほどです。とても薄いため、真横から見るタイミングになると望遠鏡を使っても見えなくなります。今年3月から4月ごろその状況になりました。その後も環が横倒しになった状況で、串をさした団子のような姿になりました。
土星の周囲に環があり、土星の公転によって環の傾きが変わると発見したのは天文学者のホイヘンスです。ホイヘンスは時計の振り子やヒゲゼンマイの発明でも知られ、時計の神様のような存在です。2025年は、ヒゲゼンマイ発明から350年の年でもあります。そんなわけで、6月のプラネタリウムでは「土星と時計とホイヘンス」というテーマでプラネタリウムの投影を行いました。
前回の土星の環が真横になったのは2009年、その前は1995年でした。不思議なめぐりあわせですが、明石市立天文科学館は、土星の環が真横になるタイミングで長期休館に入っています。2009年には、展示室の大規模更新、1995年は阪神淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震の復旧工事がありました。今回の工事は、震災普及工事の時に整備された空調などの取り換え作業がおおきな内容です。
いまは休館で、すこし存在感が薄くなっておりますが、土星の環のようにまたくっきりとした姿が戻ってくるよう、職員一同知恵を絞って魅力向上のアイディアを練って準備しているところです。
といううことで、、、、 今年の漢字を「環」としました。
文字には、土星の姿と振り子とヒゲゼンマイを混ぜてみました。土星のリングに かんどうせい! 今年もありがとうございました。来年もまたよろしくおねがいします。良いお年をおすごしください。

(屋外での一発どりなので手作り感満載です)